京劇というとくるくる跳んだり跳ねたりの曲芸がイメージされます2が、
ここまでは歌舞伎と共通しますが、京劇
どうしたらそんな声量で、そんな声が出るのか。その非凡さを文字で表すのは不可能なのですが、特に著名な女優3のステージを観る(聴く)と、閉幕して劇場を出てもしばらく鼓膜が震え続けているほどだと言えば、少しは伝わるでしょうか。そしてこの鼓膜の震えがたまらなくになるのです。^^;
私はいつも地元の劇場に連れて行ってもらいます。観客は私以外は全員中国人です4。
いい場面、特に歌唱が盛り上がると観客席から“好(ハオ)!”の声が上がります。この歓声にステージの役者も応えて興が乗って、それにまた“好!”が、、、。そんな劇場の一体感と盛り上がりもまた良いのです。
余談ですが、私は京劇が来日したときも国立劇場に観に行きましたが、当然ながら客席から“好!”は上がらず、本来ウケなくてもよいところで笑い声が起こったりとか、超一流の役者たちは今ひとつ乗り切れず精彩を欠き、あまり堪能できませんでした。私がはまった京劇は観客との一体感があってこそで、劇団だけが来てもダメなのだな、と痛感した次第です5。
それからこれはせんかたないことですが、天津の劇場では演目が御当地の皆さん向けで、外国人の私でもストーリーを知っている“三国志”や“西遊記”がかかることはありません。
私の間も悪いのでしょうが、優に十回以上劇場に足を運んでいるのに、“三国志”も“西遊記”も“水滸伝”も演ってくれたことがありません。まあ、歌舞伎もいつも“道成寺”や“義経千本桜”を演っている分けではないので、いつか観られると信じて劇場に足を運び続けるしかないのでしょう。
ただ、これが面白いところで、お話が分からなくても、歌唱や演技6を観ているだけで十分楽しめてしまい、全然気になりません。それだけ演芸としてよく出来ている、ということなのでしょう。
なお、我々は一括して“京劇”と呼んでしまいますが、広い広い中国なので、地方ごとに特徴のある伝統演劇があります。その中で四川省の“川劇”に仮面の早変わりがあって、ぜひ観てみたものだと長年思っていたら、意外なステージで観ることが叶いました。こちらにそのお話を書いていますので、併せてお読みいただければ幸いです。
私が京劇を鑑賞する【天津市】に乗船したのは、下の地図の①です。
