天津自然博物馆 – 恐竜 –

(注)恐竜名の中国語は、当該恐竜のWikipedia中国語簡体字版ページにリンクしています。Wikipediaのサーバ(WEB・DBとも)は言語を問わず、あまねくアメリカに置かれています

入館すると、いきなりドーン! (^^; 四川省産出の巨大雷竜が三頭でお出迎えです。

向かって左二頭が馬門溪龍マメンチサウルス(ジュラ紀晩期)、右が峨嵋龍オメイサウルス(同中期)

恐竜

恐竜が好きな方は多いと思います。かくいう私もその一人で、小学校一年のときに上野の国立博物館「地球展」で“フタバスズキリュウ”と“ニッポノサウルス”の化石を目の当たりにした感動を、半世紀を経てなお覚えているほどです。ロンドンに長期滞在した際は休みのたびに大英博物館(Natural History Museum)を訪れ、世界有数の恐竜化石コレクションに酔いしれました。

そんな私が天津自然博物馆に行ってみたらぶっ飛びました。中国が恐竜化石の一大産地なのは無論知っていましたが、それは新疆ウィグルとか四川とか内モンゴルとか遥か彼方の内陸部の話で天津は関係ないと思い込んでいたのですが、、、中国で三つしかない国家一級自然博物館を舐めてました。百聞は一見に如かず。興奮にうち震えながら撮った写真を見てください。

肉食恐竜は、手前の中型が單脊龍モノロフォサウルス(新疆ウイグル自治区、ジュラ紀中期)。

奥の大型は暴龍ことティラノサウルス(白亜紀晩期)。これは中国ではなく、北米産出。

恐竜館内

中に入るとまた凄い!ご存じステゴサウルス・・かと思ったらそっくりさん。多背棘沱江龍トウジャンゴサウル(四川省、ジュラ紀後期)。

こちらは間違いなくトリケラトプス。中国語では三角龍

お隣は甲龍アンキロサウルス。この二体は北米産出。

禄豊龍ルーフェンゴサウルス。ジュラ紀前期の原始的な竜脚類。雲南省産出。

古似鳥龍アーケオルニトミムス は白亜紀後期のダチョウ型恐竜、内モンゴル自治区産出。ジュラシックパークで大暴れしてたのはコイツです。

シュノサウルス蜀龍。“蜀”は三国志の劉備玄徳の国で、その“蜀”が、この恐竜の産出地・四川省にあったことからこの名前に(ジュラ紀中期)。 

ここにも馬門溪龍マメンチサウルスが。中国恐竜の代表格です。アジア最大の恐竜だけあって、でかい・・・。とりわけ首の長さは驚異的。持ち上げてて疲れなかったのかと他人(?)事ながら心配になります。

巨竜の足元をよく見ると恐竜の子供が!上が賴氏龍ランベオサウルス(北米)。下は鸚鵡嘴龍プシッタコサウルス(内モンゴル自治区)

卵の化石ももちろんありました。いっぱい。河南省ほか産出。

足跡の化石も…

最後は空へ。まずは白亜紀初期の翼手竜・準噶爾翼龍ズンガリプテルス。ズンガリは発見地のジュンガル盆地(準噶爾、ウイグル自治区)のこと。

続いて羽毛恐竜。左から虛骨龍コエルルス偷蛋龍オヴィラプトル(モンゴル自治区、白亜紀晩期)、馳龍ドロマエオサウルス(鳥類に最も近縁、遼寧省?、白亜紀晩期)

最後を飾るは孔子鸟が三羽!(いずれも遼寧省北票市)。もう感涙…

恐竜大好きなら天津自然博物館へ!

保障します。あなたが恐竜大好きであれば、この博物館を観にだけでも天津に行く価値は十二分にあります。ここに紹介した恐竜はいずれも常設展示なのでいつ行っても大丈夫です。写真が撮り放題なのはうれしい限り!

博物館の場所も、東京で言えば上野にあるようなもの。交通至便な天津市のど真ん中なので安心です(下の地図で左側に見える動物園のある水上公園が市のヘソです)。

大半を占める中国産出化石に交じって、北米産がちらほらあったのが興味深かったです。恐らくは中国産をアメリカの博物館と交換しているのかと。

あと、蜀竜とか多背棘沱江竜とか古似鳥竜とか、中国語の恐竜名が絶妙で展示プレートを見てて楽しいです !(^^)!

魚竜首長竜の化石もありましたが、こちらは点数少なく目を引く標本もありませんでした。中国は海洋国でないためでしょうか。魚竜首長竜化石は大英博物館が圧巻です。

なお文中の恐竜の名前等は現地の展示プレートを元に極力正確を期したつもりですが、何分当方素人愛好家につき、間違いがあったらご容赦を。