扎龍自然保護区 – 丹頂鶴 –

斉斉哈爾(チチハル)市中国東北部黒竜江省の州都 哈爾浜(ハルビン)に次ぐ第二の都市。往訪の折、地元の方から“郊外の自然公園に行ったら丹頂鶴が見れるよ”と教えてもらったので、せっかくだからとその扎龍自然保護区に行ってみました。“鳥だからいないこともあるだろうし、見れてもどうせ遠くからで豆粒大だろう”と、大した期待もしていなかったのですが・・・。

いました(^^; しかも目の前で見れました。

丹頂鶴

丹頂鶴です。その名のとおり、頭頂が赤いのがよく見えます。

見物客に悪さをされるようなことがないのか、人の影に入るほど近寄って来て、平然としています。

羽を優雅に広げた姿も見せてくれました。まるで和服美人の後ろ姿のようです。

動画もご覧ください。

2019チチハル鶴保護区 1

上の鶴がいたのは、下の写真の人が群がっているところのすぐ前です。

湿地は直には歩けないので、保護区内にはこのような見物客用遊歩板が整備されています。

見事な飛翔も見れました。この後に旋回して頭の真上を飛んでくれました。

飛翔動画も是非見てください。悠然たる飛翔を目の当たりにして、思わず感嘆の声が出てしまっています。

2019チチハル丹頂鶴保護区飛翔

飛翔を終えた群れは、少し離れたところに降り立ちました。

沼の向こうには巨大な鶴の卵が!?

正体は鶴の資料館でした。本当に巨大で、よく卵に似たかたちです。

丹頂鶴を心ゆくまで堪能できました。ボートが湿地帯入口まで乗せてくれます。

入園券。普通、丹頂鶴の写真だろうと思いますが、最近電気自動車を導入したのが嬉しかったようで、その絵柄です。

この電気自動車は保護区入口から湿地入口まで見物客を運びます。

 

扎龍自然保護区は世界最大の丹頂鶴生息地。

丹頂鶴というと釧路湿原が思い浮かびますが、中国にもこんな丹頂鶴のサンクチュアリがあったとは。扎龍自然保護区に生息するのは350羽で、これは全世界の丹頂鶴の17%にあたるそうです。

保護区は南北80km、東西58kmに及び、総面積21万ヘクタールは、東京都全域と同じという広大さです。中核を成す扎龍湿原は、世界最大の湿原とのこと。開園は1979年で、1992年に「国際的に重要な湿地のリスト」に名を連ねています。

人気の観光地のようで、入園券窓口はものすごい人が押し寄せていました。

5枚目の写真にあるとおり、遊歩板には柵が全くありません。にも関わらず、人がいる間近まで鶴が来て平然としているのには驚かされました。来場者の誰もがマナーを遵守して、鶴を脅かすことがないのでしょう。素晴らしいことです。

扎龍自然保護区は斉斉哈爾(チチハル)市から約30kmの距離にあります。バスもありますが、行かれるのであれば日本で旅行会社に現地ガイドの手配を依頼して、連れて行ってもらうことをお勧めします。市内も保護区も、日本語英語共にまったく通じないです。

中国東北部 黒竜江省・斉斉哈爾市

斉斉哈爾市の位置は上の地図のとおりで、緯度は北海道より北にあり、ロシアやモンゴルの国境にもう随分と近いところです。

黒竜江省第二の都市だけあって、人口が400万人を超える大都市です。

2015年に高速鉄道(中国新幹線)が開通し、国際都市 哈爾浜(ハルビン)から1時間半足らずで行けるようになり、交通の利便性が飛躍的に高まりました。以前は哈爾浜から行くには国内線を利用していたことを思うと、夢のようです。

哈爾浜までは日本から直行便が出ているので、斉斉哈爾も、丹頂鶴の楽園 扎龍自然保護区も決して手の届かない遥か彼方ではありません。

附録 ~酸菜鍋~

鶴以外で斉斉哈爾名物と言えば、何と言っても“酸菜鍋”!

厳冬期の保存用に白菜を発酵させたのが酸菜で、その酸味が味が共に煮込んだ羊肉とうまくマッチして実に美味。日本でも食べれる店は少ないながらあるものの、やはり本場で食べる味は格別でした。また食べに斉斉哈爾に行きたい。。。。

鍋